職場環境

言われた通りにやっているのにうまくいかない… 指導で自信を失う人に必要な“心の軸”のつくり方

言われた通りにやっているのに、なぜかうまくいかない

職場での人間関係や仕事の中で、
「ちゃんと指導された通りにやっているのに、なぜかうまくいかない」
「怒られないように気をつけているのに、評価が下がる」
「どんどん自信がなくなっていく」

こうした声を、これまで多くの相談でお聞きしてきました。

相談者の中には、仕事そのものよりも、
「人によって言うことが違うこと」や「指導されること自体」に疲れてしまっている方もいます。

今回は、そうした“自信が失われていく構造”と、そこから回復するために必要な
「心の軸の整え方」について、専門家の視点からお伝えします。

「人によって言うことが違う」状況で、人は混乱する

職場で戸惑いの表情を浮かべる女性。周囲の指導に振り回され、自信をなくしかけている。
複数の上司や先輩から、それぞれ異なる指導を受ける。
ありがたい反面、「Aさんに言われた通りにやったら、Bさんに注意された」というような状況が続くと、人は混乱し、自信を失いやすくなります。

これは、単に「柔軟性が足りない」という話ではありません。
実際には、“判断の基準を外に置きすぎている状態”になっていることが原因です。

周囲に合わせることが習慣になっている人ほど、
「どれが正解か分からない」
「間違えたら迷惑をかける」
という不安でいっぱいになり、自分の判断を信じられなくなっていくのです。

萎縮しすぎると、自信だけでなく「感覚」も鈍ってくる

本来、人は仕事の中で「これでいいのかな」「ちょっと違うかも」といった
小さな違和感や気づきをもとに、試行錯誤しながら調整していきます。

けれど、「また怒られるかもしれない」「失敗できない」と緊張状態が続くと、
その“内側のセンサー”が働かなくなっていきます。

結果として、「言われたことをこなす」ことが目的になり、
納得感や主体性が薄れ、やりがいや達成感も感じにくくなってしまいます。

この状態が続くと、たとえうまくいっても「自信」にはつながりにくいのです。

自信を取り戻すカギは「自分の軸で判断する」経験

緑の中で両手を広げる女性。自分の感覚を信じて歩き出す、前向きな一歩を表している。
大きな変化を生むきっかけは、「自分の感覚を信じて動いてみること」です。

たとえば、

  • 判断を任されたとき、自分で考えて答えを出してみる
  • あえて誰かの言う通りではなく、自分なりの工夫をしてみる
  • 失敗したとしても、「やってみてどうだったか」を自分でふり返る

こうした“自分で選んで動く経験”が積み重なると、
外の正解ではなく、「自分の納得」が判断の基準になっていきます。

私自身も「何が正解か分からない」中で迷ったことがありました

私自身も以前、複数の指導者から異なるアドバイスを受けながら、相談対応の業務に携わっていた時期がありました。

それぞれの言葉に納得できるからこそ、
「どれが正解なんだろう」「また指摘されるかも」と不安になり、
判断に迷いが生じ、自信がどんどん失われていきました。

ですがあるとき、自分の中にあった“違和感”や“こうしたい”という感覚を信じて動いてみたことで、少しずつですが、「これでよかった」と思える手ごたえが育っていきました。

この経験から学んだのは、
“正しいやり方”を外に求めすぎると、心の軸が揺らぎやすくなるということです。

完璧でなくても、自分の中で「これがいい」と思える判断をしてみる。
その積み重ねが、“自分を信じる感覚”=自信を回復する力につながっていくのだと、私は実感しています。

環境を変えるだけでは、同じ問題が繰り返されることも

職場の人間関係に悩んだとき、配置転換や異動など「環境を変える」選択はとても有効です。
けれど、私がこれまでカウンセリングや相談対応の現場で見てきた限り、
環境を変えるだけでは根本的な解決にならないケースも少なくありません。

異動先でも、しばらくするとまた似たような人に出会い、
同じようなことで悩んでしまう。
これは、自分の内面(価値観・感情・境界線)に向き合わないまま、環境だけを変えた場合に起こりやすい現象です。

キャリアカウンセラー
キャリアカウンセラー
ここでの「境界線」とは、他人と自分の間にある心理的な線のことを指します。必要以上に相手に合わせすぎず、自分の気持ちや限界を守ることが大切です。

“指導される側”から、“判断できる自分”になるには

「全部言われた通りにやる」ことをやめ、
「自分なりに考えて動く」ことを少しずつ増やしていく。
そして、そのときの不安や葛藤を、自分自身でふり返る。

このプロセスが、“自分で判断する力”と“それを支える自信”を育ててくれます。

特に、人に振り回されやすい方や、
「期待に応えなきゃ」と頑張りすぎてしまう方ほど、
「私はどうしたいのか」に立ち返ることが、とても大切なのです。

最後に:自信は“結果”ではなく“プロセス”の中で育つ

自信は、何かを完璧にできたときに生まれるものではありません。
不安を抱えながらでも、自分の感覚を信じて動く。
その一歩一歩が、確実に“自信の芽”を育てていきます。

職場で自信をなくしてしまったときこそ、
「誰かの正解」に合わせるのではなく、
「自分の感覚」に丁寧に立ち返ってみること。

それが、自分らしく働くための第一歩になるのだと私は思います。

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