メンタル

見ているだけでイライラする相手の正体 〜職場での感情の背景にある“シャドウ”とは〜

職場で「なぜかイライラする人」がいるとき

職場や日常生活の中で、直接関わっていないのに「見ているだけで嫌な気持ちになる人」や「イライラしてしまう人」はいませんか?

  • いつも声が大きくて、場を仕切ろうとする人
  • 思いつきで発言してくる人
  • マナーを守らない人

その人が悪いわけではないと頭では分かっていても、つい目で追ってしまったり、気になって仕方がなかったり…。

そんなとき、私たちの中にはある“無意識の反応”が起きていることがあります。

心理学でいう「シャドウ(影)」とは?

ユング心理学では、自分の中にある“認めたくない性質”のことを「シャドウ(影)」と呼びます。

本当は自分の中にもあるけれど、幼い頃や過去の経験を通して「これは良くない」「こんな自分は嫌だ」と無意識に遠ざけてきた部分です。

例えば、「でしゃばる人を見てイライラする」というとき。
その奥には「本当は自分も堂々と意見を言いたい」「注目されたい」といった感情が隠れていることがあります。

でもその気持ちを否定し、自分には“ないもの”として扱ってきた結果、それを堂々と表現している他人を見てモヤモヤしてしまうのです。

透き通った水面に映る二人の人影。心の奥にある「シャドウ(影)」を象徴するイメージ。

私自身がイライラした“出しゃばる人”

以前、私も職場でどうしてもイライラしてしまう相手がいました。

何かと首を突っ込んでくるその人に対して、「また始まった」「そんなこと言わなきゃいいのに」と心の中で反発している自分がいました。

けれどよくよく振り返ってみると、その人がしていたのは、自分の意見を率直に口にすること。
私は、間違えることを恐れて発言を控えていた時期だったため、無意識のうちに「そういう自分はダメ」と思っていた部分を、相手に見ていたのかもしれません。

イライラの奥にある“本当の気持ち”に気づくとき

そう気づいてから、私は思いきって“その人のように振る舞ってみる”ことにしました。

いつもより少しだけ、自分の意見を口にしてみる。間違ってもいいから言ってみる。最初は抵抗がありましたし、嫌われるのでは…という不安もありました。

でも実際にやってみると、「意外と大丈夫だった」「むしろ面白がってもらえた」という体験があり、あのイライラはスーッと消えていきました。

私たちは、自分の中に“封印してきた感情”があると、それを外側の人を通して見せられたときに、強く反応してしまいます。
それに気づけると、自分を縛っていた“思い込み”が少しずつ外れていきます。

一人静かに立ち尽くし、遠くを見つめる女性の後ろ姿。自分自身と向き合い、心の声を受け止める時間を象徴する。

もちろん、すぐに行動を変えるのは難しいものです。
「分かったけれど、やっぱり怖い」「私には無理かも」と感じることもあるでしょう。

そんなときは、まずは心の中で「ああ、私はこれがしたかったんだな」と認めてあげるだけでも十分です。

自分の気持ちに気づくことが、変化への第一歩なのですから。

「イライラする相手」は、自分を見つめるチャンス

もしあなたの身近に、「なんだか苦手」「見てるとイライラする」人がいたら、一度立ち止まって考えてみてください。

  • その人のどんな言動に反応しているのか
  • 自分はそれを「してはいけない」と思っていないか
  • 自分にも本当はそうしたい気持ちがあるのではないか

そんなふうに自分の内面を丁寧に見つめてみると、これまで抑え込んできた“自分の一部”を取り戻すきっかけになるかもしれません。

感情に振り回されず、自分らしく働くために

イライラやモヤモヤといった感情は、時に私たちを苦しめます。
けれどその裏には、「本当の自分に戻りたい」という小さなサインが隠れているのです。

自分の心に気づき、少しだけ受け入れてあげる。
それが、感情に振り回されず、自分らしく働くことにつながっていきます。

そんな気づきのヒントを、これからもお届けしていきますね。

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